日本史オンライン講義録

受験勉強はもちろん、日々の学習にも役立つ日本史のオンライン講義です。 

【産近甲龍・日東駒専編】勉強方法

では勉強方法について1章を進めていきます。1章では、基礎標準レベルという位置づけで産近甲龍日東駒専レベルの大学に日本史選択で受験するのであれば、どういうルートをたどって勉強を進めていけばいいのかみたいくことにします。

 

インプットの「教科書」と「一問一答」

軸になるメイン2冊の参考書は、「教科書」と「一問一答」です。

 

 

 

山川一問一答日本史 第2版

山川一問一答日本史 第2版

 

 

 

 教科書ってなると「えっ…。」ってなっちゃうと思うのですが、これはあとで説明していくので安心してください。とりあえず、今は「教科書」と「一問一答」のしかも山川出版のものだということを強調しておきます。大学受験界で日本史の一問一答といえば東進でしょ?っていう感じだったのですが、ここでは山川の一問一答なのです。なぜ山川なのか端的にいうと、情報量の違いです。基本ルートをたどっていく場合、情報量の多すぎる東進は初学者には向いてないのです。これがまず1つ目の理由です。

それで2つ目の理由はというと、教科書を軸に流れをたどっていくことになるので、教科書と一問一答が対応していてとても使いやすいんですよね。

 

まずは頻出の(☆☆)から順に覚えていく

じゃあ、どのようにして「教科書」と「一問一答」を組み合わせて使っていくのかというと、(☆☆)と(☆)と( )に分かれているので、まずは頻出の(☆☆)から順に覚えていくと良いでしょう。まず教科書と一問一答を並べて、教科書を読みながら(☆☆)の語句が教科書に出てきた教科書に緑チェックペンで線を入れていきます。このときに赤シートで隠して語句を覚えながら流れもとっていくと効率的に勉強ができるでしょう。これをすると、教科書で何を覚えたらいいのか分からない人も一問一答と組み合わせることで覚える語句が明確になります

中には一問一答だけで覚える人も必ず出てくるのですが、これは絶対にやめた方がいいです。断言できます。なぜなら「語句」を覚えるだけでになっちゃって、「流れ」を全くつかめないからです。実戦では使えない知識が身についてしまうので要注意です。必ず一問一答で出てきた「語句」を教科書に落とし込んでから「流れ」をつかみましょう。

教科書と一問一答のバランスが偏ると知識体系が中途半端になってしまう

学習のペース

ペースとしては1周目は(☆☆)の語句だけで構わないので3〜4ヶ月かけて、まずは覚えていきます。日本史を3〜4ヶ月で1周っていうのは、授業とかではまずムリなのですが、このような自学自習であれば日本史を3〜4か月で回すことができます。やっぱり早期に全体像を知るっていうことは受験に合格するためにはかなり有利に働きます。で、2周目になってくれば、1周目で捉えきれなかった語句と語句のつながりや歴史の流れを拾っていくようにもしてください。ほぼここまでで夏の終わりくらいを迎えることになるのですが、そこからは赤本で過去問対策をやっていくのと同時並行して3〜4周目に入っていく最後のひと押しとして、「一問一答」の(  )星無しの部分に取りかかります。知らない知識が出てきた、「教科書」や「一問一答」などに情報を一元化させるとよいでしょう。

産近甲龍日東駒専編ではどの難易度まで覚えればいいの?

(☆)で合格できるかというと少し難しいと思います。ただ、各大学には頻出の時代っていうのがあります。例えば、明治・大正・昭和っていうところが頻出なのであれば、そこだけ☆なしを採り入れて、どんどん演習しながら、他教科とのバランスも考えながら、原始・古代にも広げていければと思います。

 (☆☆)と(☆)は絶対!

過去問をしながら足りないと思ったら、深堀りしていく作戦

以上、インプットの勉強です。

 アウトプットの「問題演習」

山川の「教科書」と「一問一答」でインプットをしたのであれば、必ずアウトプットつまり「問題演習」もしていかなければなりません。インプットしたといっても、自分がどれだけインプットできているのかは主観では分からないものです。

このアウトプットをしていく手順なのですが、インプットのときに(☆☆)と(☆)と(  )に分けて覚えていくことになるので、当然問題演習も(☆☆)が出てくる問題集、(☆)が出てくる問題集といったように使い分けをしましょう。

問題集は2冊で十分

まず、(☆☆)のレベル、つまり1周目のときに使うアウトプット用の参考書としては「はじめる日本史」(Z会出版)になります。これのやり方は、1週間というペースで進めていくのであれば、最初の4日間を「教科書」と「一問一答」でインプットして、残りの5日目と6日目でアウトプットをして、最後の7日目に最終確認をすると良いでしょう。

 

はじめる日本史 要点&演習[改訂版]

はじめる日本史 要点&演習[改訂版]

 

 

この手順は(☆)になっても変わりません。変わるのは参考書だけで、「日本史問題集完全版」を使って、はじめる日本史と全く同じ使い方でこの問題集を使っていきます。

 

日本史問題集 完全版 (東進ブックス パーフェクトマスター)

日本史問題集 完全版 (東進ブックス パーフェクトマスター)

 

 

 日本史の一問一答は、章によって収録ボリュームにばらつきがあるので、1週間で何章という明確なペースは立てづらいのですが、でもちゃんと夏までに1周終える!そのためにはどういう風にペースを区切っていかなければならないのかっていうざっくりとした計画でいいので、まずはそれを立ててから勉強を進めていきましょう。

赤本の開始時期

( )星なしの語句に取り掛かりはじめたタイミングで、志望校の赤本を使って演習をしていくとよいでしょう。 

 

近畿大学・近畿大学短期大学部(一般入試前期〈医学部を除く〉) (2019年版大学入試シリーズ)

近畿大学・近畿大学短期大学部(一般入試前期〈医学部を除く〉) (2019年版大学入試シリーズ)

 

 

  ここで一つ注意点は、自分の志望校以外の赤本にも取り組んでみて欲しいんです。というのも、「一問一答」の星なしの語句まで覚えれば産近甲龍日東駒専はほぼ網羅できると思うのですが、必ず取りこぼしが出てきます。同じ大学で知らない知識がでてくれば、もちろんのこと、違う大学でも知らない知識が出てきたら、その都度調べて教科書などに情報一元化しましょう。

ただ演習をこなすのではなく、情報を集め知識量を増やしていく 

ちなみに、関関同立GMARCHを受験する人も、(  )星なしのところで演習をするときには、一度は触れておいた方がいいのか?というと、これは滑り止めとして受験を考えている大学の過去問だけやっておけばOKでしょう。

教科書で勉強するのって難しくないですか?

教科書まで手が回らないっていう人の大半は、教科書の情報量が多すぎて覚えきれんわい!っていうケースがほとんどです。一問一答と並行して使うという方法で、大分緩和はされるとはいえ、でも心理的なハードルは高いです。そこで登場するのが「金谷のなぜと流れがわかる本」です。

 

金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 原始・古代史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)

金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本【改訂版】 原始・古代史 (東進ブックス 大学受験 名人の授業)

 

 

 これはめちゃくちゃ有名な参考書なのですが、語り口調で挿絵も入っていて、初学者でも非常に頭に入ってきやすいので、「教科書」が難しいと感じたらこの参考書がおすすめです。しかし、わかりやすいということは裏をかえせば情報量が少ないということなので、これだけでは受験を戦い抜くことは出来ません。なので、1周目は「なぜと流れ」でやったとしても、2周目からは必ず「教科書」に戻ってくるようにしましょう。

教科書アレルギーを緩和させてくれる一手である「金谷のなぜと流れ」 

あくまでサブの参考書として認識しておく

 

教科書しんどいって思っている人は本来は日本史を選択してはダメなのですが、でも流れで高2のときに日本史を選択しちゃったって人もいるでしょう。中には普通の人が一般的に知っている内容も知らないってレベルの人もいるかも知れません。そんな日本史のことは右も左も分からない人にオススメなのが「教科書よりやさしい日本史」っていう本です。

 

教科書よりやさしい日本史

教科書よりやさしい日本史